高級住宅街である成城学園前駅。歩いていると東京都内とは思えないほどゆったりとした敷地を持つ立派なお宅がたくさん目に入ります。
将来はこんな家に住みたいです、という奥さんのつぶやきは聞こえないふりをして北西に足を進めていくと、趣ある門構えが見えてきます。
猪俣庭園
小田急線成城学園前駅の北西、徒歩7分。整然とした成城学園の住宅街の中にある。(財)労務行政研究所理事長の猪股猛氏の邸宅だったところで、猪俣氏から寄贈を受けて世田谷区が区立の施設として平成11年(1999年)に一般公開した。
主屋は建築家吉田五十八による設計の数寄屋造りで、「吉田流」とも評される趣きのある和風建築の美しさが随所にみられる。廊下でつながって入るが離れのような茶室やあとで増築した洋間なども含めて間取りは複雑で建物は広がりがあり、坪庭が2箇所にある。各部屋からはスギゴケや樹木を配した日本庭園を望むことができる。
「猪俣庭園」という名称だが、庭園はそれほどの広さはなく、むしろ邸宅のほうが見ごたえがある。
引用元:PORTAL TOKYO 東京ガイド 世田谷区 猪俣庭園
猪俣氏の息子さんが世田谷区に寄贈された施設とのことで無料で中を見学することができます。
当日は残念ながら樹木のメンテのため庭園に降りることはできませんでしたが、常駐されているボランティアの方による邸宅の説明を受けることができました。
土壁や日当たりの良い縁側、赤松を使った柱など故郷の祖父母の家を思い出させてくれます。
建築家の吉田五十八は近代数寄屋の作風を確立した方とのことで、宅内を見学すると約50年前に建てられたとは思えない程の機能美を随所に感じることができます。
いたるところが引込み戸となっており、戸袋のないすっきりとした外観です。
雨戸、網戸、ガラス戸、障子戸をすべて開けると庭園への眺望を妨げることもありません。
住まわれていた猪俣夫妻がご高齢だったため宅内の段差はほとんどなく、当時はまだ言葉もなかったであろうバリアフリーな造りになっています。
できるだけ柱や梁を見せない広々とした空間を意識した設計や、家具も最低限のものしか配置しないなどミニマリスト的な考えを持っておられたのでしょうか。
猪俣氏はお茶が趣味だったようで、立派な茶室が宅内に二部屋もありました。
室内を取るには換算39mmと65mmではちょっと長く、もうちょっと広いレンズを持って来るべきでした・・・
日本庭園を望むことができる居室・・・憧れます
素敵な邸宅でしたが、真冬のなか窓を開け放たれた宅内には暖房もないためとても寒く、あまり長居はできませんでした。
次回は暖かい季節で庭園の散歩もできるときに訪れたいものです。
駅に戻りどら焼きシフォンという変わったスイーツを食べて帰りました。
シフォン生地を使ったふわふわのどら焼きで、1個約150円とお手頃価格でしたが美味しかったです。