K-1 の発売日に向けてカウントダウンが始まっていますが、ここで手持ちのフルサイズで使えるKマウントレンズについて、APS-C機での使用感をまとめておこうと思いエントリーをします。
まずは下記のレンズ
smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited
レビューは既に出尽くしているレンズですが、どなたかの参考になれば幸いです。
概要
フィルム時代に開発された31mm画角の広角レンズ。APS-C機での使用時には47.5mmの標準域をカバーするレンズになります。
どのレビューサイトでも絶賛されているPENTAXの銘玉の一つ。味のある描写が人気のFA Limitedシリーズの中でも一番値段が高くラスボスと呼ばれているレンズ。
今までのPENTAXのデジタル一眼レフにはフルサイズ機が存在せず、本来の広角画角で使用したいがために、他社のフルサイズ機にマウントアダプターを介して使用したりフィルム機にて使用するユーザも多くいるようです。
購入経緯
購入経緯としてはDA35安の購入がきっかけの単焦点レンズ沼へのダイビング。
komori.hatenadiary.com
単焦点レンズを使っている内にその使いやすい画角や綺麗なボケ、絞った時の解像度に魅了され、いつしか有名なこのレンズの写りが気になってたまらない病気が発祥。
結局、寛容な奥さんのご厚意により婚約指輪のお返しとして定番(?)な腕時計の代わりにこのレンズをプレゼントして頂きました。このエピソードに結婚式の司会者もドン引き苦笑いですが、思い入れがありこの先手放すことはないであろう一本です。(式場カメラマンさんとは目があった瞬間に謎の一体感を感じることができました)
ある意味、これがあるからPENTAXユーザーをやめられない呪いのアイテムとも言えるかもしれません。
良い点
・F値1.8の明るさ
・絞り開放でも充分な解像度
・滑らかで美しいボケ味
・絞った時のしっかりとした解像力
・所有欲を満たす高い質感のボディ
悪い点
・クイックシフトフォーカス*1に非対応
・単焦点にしては重い
外観
所有する喜びを満たすアルミ削り出しの高級感溢れるボディ。カラーは定番のブラックとシルバーの二種類が用意されています。
フィンガーポイント用の七宝焼きも良いアクセント。フィンガーポイントの色は個体差があるようですが、欲を言えばもっと鮮やかな緑が好みでした。
付属のメタル製のレンズキャップも高級感があります。しかし外した際に嵩張りポケットの中でかなり主張します。また、このキャップもなかなかお高いので無くしかけた時には何度か冷や汗かきました。
フィルム時代の連是であるため絞りリングも備わっています。そのため絞り制御のない安物のマウントアダプターでも使用出来る点がまた美味しいです。
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重量
メーカー公表値は375gとなります。小型軽量の単焦点レンズが多いPENTAXの他のレンズと比較してしまうと持ってみてしっかりとした重量を感じますがフルサイズのイメージサークルをカバーした広角単焦点としては充分軽い部類でしょう。軽量小型の単焦点に慣れてしまった上の贅沢な悩みかもしれません。
PENTAX K-30に装着した図
完全に主観ですが白ボディに銀レンズは合うと思います。
エントリー機のK-30に装着してもバランスは悪くないと思いますが重心は前身レンズ部になります。
操作性としてクイックシフトフォーカス非対応のため、MFとAFの切替にボディ側のレバー操作が必要になることが欠点として挙げられます。
クイックシフトフォーカス対応のレンズでの操作が快適すぎてレバーの手動切替は不便に感じますが慣れれば手動切替でも充分対応できます。
APS-C機での使用時におけるフード問題
当レンズ、固定式のフードが最初からついているのですが、そのフード長が短いためAPS-C機で使う上で逆光時のゴーストを抑えると言った効果が低くなってしまいます。ネットを調べてみると自分で工作してフードを伸ばしたり、ドーム型のフードを装着するといったウェポン化と呼ばれるプチ改造事例を見ることができます。参考にして私も下記ドーム型フードを別途購入して使用しています。
ドーム型フードを採用したのはフードを延長すると、せっかくのコンパクトさが損なわれるためです。
こちらの「Cosina Voigtlander フォクトレンダー 金属製レンズフード LH-40N」はFA31mmのフィルター径58mmと合致し、また固定式のフードからはみ出ることがないため装着したまま純正のレンズキャップをかぶせることができます。
ドーム型フードを着けることによって逆光耐性を高めるだけでなく、レンズの汚れや傷を防ぐ効果も得られます。
このドーム型フードですが本来の画角で撮影できるフルサイズ機で使用した場合、当然ですがフードが映り込み四角がケラレてしまうことを確認済みです。
固定式フードのみではもしもの時のガード力は無いに等しいため、レンズの傷および汚れ防止のため大人しく保護フィルターを買ったほうが良さそうです。
以下へっぽこ作例
APS-C使用時35mm換算では47.5mmとなり、標準レンズとして使用することができます。
そのため、気軽にスナップ用に使用するのも楽しいです。
絞りを開いて後ろをボケさせて撮れば何だか簡単に良い感じに撮れてしまうという反則レンズ。
使うだけで自分の腕が上がったと勘違いしてしまうデメリットもあります。
頑張れば夜景も手持ちでなんとかいけます。
ふんわり柔らかい描写は暗い室内での子供の撮影にも向いています。
最短撮影距離0.3mと意外と寄れるため、リスのような小動物の撮影もいけちゃいます。
もちろん絞ればきっちり解像するため風景撮影でもしっかり活躍。
APS-C機で使ってきた上での所感
換算47.5mmの使い易い画角のため、汎用的に多くの場面で使うことができる。通算の撮影枚数も手持ちのレンズ内でダントツのトップ。
K-1も発売されることもありゆくゆくはフルサイズへの移行を考えている人にとっては使いやすい標準域、広角と違う写りを楽しむことができるレンズ。
今までは気軽なスナップ用レンズとして手持ちで撮影することが多かったのですが、フルサイズでは本来の広角画角に加え三脚を構えてしっかりと撮影することにより、潜んでいるポテンシャルをさらに引き出せるのではないかと今からワクワクしています。
*1:AF合焦後にピントリングを回すことでスムーズに細かいピント調整を行うことができる機能